ボタン

ボタン1 ボタン2

ウインドウにボタンをつけます。ボタンが押されると、ダイアログボックスを表示させます。

メニュー - インコのWindowsSDK を修正します。

流れ

WM_CREATE

WM_CREATEは、ウインドウが生成されたときに1回だけ実行されます。

1.CreateWindowEx()で、ウインドウまたはコントロールを生成します。
ここでは、ボタンを作成します。
CreateWindowEx()では、ボタンのほかにも多数の部品(コントロール)を作成することができます。

HWND CreateWindowEx(
    DWORD dwExStyle,      // 拡張ウィンドウスタイル
    LPCTSTR lpClassName,  // 登録されているクラス名
    LPCTSTR lpWindowName, // タイトルバーに表示する文字列
    DWORD dwStyle,        // ウィンドウスタイル
    int x,                // ウインドウ左上のX座標
    int y,                // ウインドウ左上のY座標
    int nWidth,           // ウィンドウの幅
    int nHeight,          // ウィンドウの高さ
    HWND hWndParent,      // オーナー(親)ウィンドウのハンドル
    HMENU hMenu,          // メニューハンドルまたは子のID(識別子)
    HINSTANCE hInstance,  // アプリケーションインスタンスのハンドル
    LPVOID lpParam        // ウィンドウ作成データ
);

下記は、この関数の引数の詳細(主なものを抽出)です。

dwExStyle 拡張ウィンドウスタイル
WS_EX_TOPMOST 最前面ウィンドウ
WS_EX_ACCEPTFILES ドラッグアンドドロップで、ファイルを受け入れます
WS_EX_TRANSPARENT 透過ウィンドウ
WS_EX_MDICHILD MDI(親ウィンドウ内に複数の子ウィンドウをもつ)子ウィンドウ
WS_EX_TOOLWINDOW ツールウィンドウ
タスクバーに表示されないウインドウ
WS_EX_WINDOWEDGE 盛り上がった縁の境界線を持つウィンドウ
WS_EX_CLIENTEDGE 縁が沈んで見える境界線を持つウィンドウ
WS_EX_CONTEXTHELP ダイアログボックスのタイトルバーに[?]ボタンを追加
WS_EX_CONTROLPARENT ユーザーが[Tab]キーを使って子ウィンドウ間を移動できるようにします。
lpClassName 登録されているクラス名
TEXT("BUTTON") ボタン
TEXT("COMBOBOX") コンボボックス
TEXT("EDIT") エディットボックス
TEXT("LISTBOX") リストボックス
TEXT("MDICLIENT") MDIクライアントウィンドウ
TEXT("SCROLLBAR") スクロールバー
TEXT("STATIC") スタティックコントロール
以下コモンコントロール
ANIMATE_CLASS
TEXT("SysAnimate32")
アニメーションコントロール
HOTKEY_CLASS
TEXT("msctls_hotkey32")
ホットキーコントロール
PROGRESS_CLASS
TEXT("msctls_progress32")
プログレスバー
STATUSCLASSNAME
TEXT("msctls_statusbar32")
ステータスバー
TOOLBARCLASSNAME
TEXT("ToolbarWindow32")
ツールバー
TOOLTIPS_CLASS
TEXT("tooltips_class32")
ツールチップコントロール
TRACKBAR_CLASS
TEXT("msctls_trackbar32")
トラックバー
UPDOWN_CLASS
TEXT("msctls_updown32")
アップダウンコントロール
WC_COMBOBOXEX
TEXT("ComboBoxEx32")
拡張コンボボックス
WC_HEADER
TEXT("SysHeader32")
ヘッダーコントロール
WC_LISTVIEW
TEXT("SysListView32")
リストビュー
WC_TABCONTROL
TEXT("SysTabControl32")
タブコントロール
WC_TREEVIEW
TEXT("SysTreeView32")
ツリービュー
DATETIMEPICK_CLASS
TEXT("SysDateTimePick32")
DTPコントロール
MONTHCAL_CLASS
TEXT("SysMonthCal32")
月間予定表コントロール
REBARCLASSNAME
TEXT("ReBarWindow32")
レバーコントロール
WC_IPADDRESS
TEXT("SysIPAddress32")
IPアドレスコントロール
WC_PAGESCROLLER
TEXT("SysPager")
ページャーコントロール
lpWindowName ウィンドウ名
dwStyle ウィンドウスタイル
共通のウィンドウスタイル ボタンのウィンドウスタイル が使えます。
x ウィンドウの横方向の位置
y ウィンドウの縦方向の位置
nWidth ウィンドウの幅
nHeight ウィンドウの高さ
hWndParent 親ウィンドウまたはオーナーウィンドウのハンドル
hMenu メニューハンドルまたは子のID(識別子)
hInstance アプリケーションのインスタンスハンドル
lpParam WM_CREATEでLPARAMに渡したい値。
渡したいデータがないときは、NULL

ウィンドウスタイル(WS_***)
WS_POPUP ポップアップウィンドウ
WS_CHILDとの併用不可
WS_CHILD
WS_CHILDWINDOW
子ウィンドウを作成
WS_POPUPとの併用不可
WS_MINIMIZE
WS_ICONIC
初期状態でウィンドウを最小化
WS_VISIBLE 初期状態でウィンドウを表示
WS_DISABLED 初期状態で無効 (使用不能) なウィンドウを作成
WS_CAPTION タイトルバーを持つウィンドウ
WS_BORDER 境界線を持つウィンドウ
WS_VSCROLL 垂直スクロールバーを持つウィンドウ
WS_HSCROLL 水平スクロールバーを持つウィンドウ
WS_SYSMENU タイトルバーにアイコンと閉じるボタンをつけます
WS_THICKFRAME
WS_SIZEBOX
ウィンドウサイズ変更可能
ボタンのスタイル
●以下は、lpClassNameでTEXT("BUTTON")を指定したときのみ有効
BS_PUSHBUTTON プッシュボタン
プッシュボタンを作成
BS_DEFPUSHBUTTON 太い境界を持つデフォルトのプッシュボタン
BS_CHECKBOX チェックボックス
チェックボックスを作成
デフォルトでは、テキストはチェックボックスの右側に表示
BS_RADIOBUTTON ラジオボタン
ラジオボタン
デフォルトでは、テキストはチェックボックスの右側に表示
BS_3STATE チェックボックス
選択された状態、選択されていない状態、灰色表示の状態という 3 つの状態を持つチェックボックスを作成
BS_AUTO3STATE チェックボックス
BS_3STATEスタイルのボタンを作成
ユーザーがチェックボックスを選択するとボックスの状態が自動的に変わります。
BS_GROUPBOX グループボックス
グループボックスを作成
BS_AUTORADIOBUTTON ラジオボタン
ラジオボタンを作成
BS_OWNERDRAW オーナードローボタンを作成
BS_LEFTTEXT
BS_RIGHTBUTTON
ラジオボタンスタイルやチェックボックススタイルと組み合わせると、ラジオボタンやチェックボックスの左側にテキストが置かれます。
BS_ICON アイコンを表示
BS_BITMAP ビットマップを表示
BS_LEFT ボタンの中にテキストを左寄せ
BS_RIGHT ボタンの中にテキストを右寄せ
BS_CENTER ボタンの(水平方向の)中央にテキストを置きます。
BS_TOP ボタンの最上部にテキストを置きます。
BS_BOTTOM ボタンの下部にテキストを置きます。
BS_VCENTER ボタンの(垂直方向の)中央にテキストを置きます。
BS_PUSHLIKE プッシュボタンのような概観と機能を持つ、チェックボックスまたはラジオボタンを作成
BS_MULTILINE テキストが長すぎてボタンの中に一行で収まらないときは、テキストを複数行に折り返します。
BS_NOTIFY 親ウィンドウに、ボタンが BN_DBLCLK, BN_KILLFOCUS, BN_SETFOCUS の各通知メッセージを送るようにします。
このスタイルを持つかどうかに関わらず、ボタンは BN_CLICKED 通知メッセージを送ります。
BS_FLAT フラットボタンを作成
(Windows XP以降のビジュアルスタイル適用時は変化なし)

文字列の型

CreateWindowEx()の引数lpClassNameと、lpWindowNameの変数の型は、LPCTSTRです。
LPCTSTRは文字列を示す型です。
コンパイルオプションにより、UNICODE文字セットか、マルチバイト文字セットかにより、 文字列の型が変わってきます。
LPCTSTRは、UNICODEとマルチバイトとを自動で変換してくれる型です。
詳しくは、 Visual C++ Ver6.0のソースを最新のVisual C++でコンパイル をご覧ください。

WM_COMMAND

ボタンを押すとID_BUTTON1メッセージが、発生するのでこのときに、MessageBox()でメッセージボックスを表示させます。

ソースコードの入力

ソースコードは下記のように入れてください。

test.cpp
#include <windows.h>
#include "resource.h"

// このコード モジュールに含まれる関数の宣言を転送します:
ATOM MyRegisterClass(HINSTANCE hInstance);
BOOL InitInstance(HINSTANCE, int);
LRESULT CALLBACK WndProc(HWND, UINT, WPARAM, LPARAM);

int APIENTRY WinMain(HINSTANCE hInstance,
                     HINSTANCE hPrevInstance,
                     LPSTR lpCmdLine,
                     int nCmdShow)
{
    MSG msg;
    MyRegisterClass(hInstance);

    // アプリケーションの初期化を実行します:
    if (!InitInstance (hInstance, nCmdShow))
    {
        return FALSE;
    }
    // メイン メッセージ ループ:
    while (GetMessage(&msg, NULL, 0, 0))
    {
        TranslateMessage(&msg);
        DispatchMessage(&msg);
    }
    return (int) msg.wParam;
}

//
//  関数: MyRegisterClass()
//
//  目的: ウィンドウ クラスを登録します。
//
ATOM MyRegisterClass(HINSTANCE hInstance)
{
    WNDCLASSEX wcex;

    wcex.cbSize = sizeof(WNDCLASSEX);

    wcex.style = CS_HREDRAW | CS_VREDRAW;
    wcex.lpfnWndProc = WndProc;
    wcex.cbClsExtra = 0;
    wcex.cbWndExtra = 0;
    wcex.hInstance = hInstance;
    wcex.hIcon = LoadIcon(NULL , IDI_APPLICATION);
    wcex.hCursor = LoadCursor(NULL, IDC_ARROW);
    wcex.hbrBackground = (HBRUSH)(COLOR_WINDOW+1);
    wcex.lpszMenuName = MAKEINTRESOURCE(IDC_HP);
    wcex.lpszClassName = TEXT("HP");
    wcex.hIconSm = LoadIcon(NULL , IDI_APPLICATION);

    return RegisterClassEx(&wcex);
}

//
//   関数: InitInstance(HINSTANCE, int)
//
//   目的: メイン ウィンドウを作成します。
//
BOOL InitInstance(HINSTANCE hInstance, int nCmdShow)
{
   HWND hWnd;

   hWnd = CreateWindow(TEXT("HP"), TEXT("HP"), WS_OVERLAPPEDWINDOW,
      CW_USEDEFAULT, 0, CW_USEDEFAULT, 0, NULL, NULL, hInstance, NULL);

   if (!hWnd)
   {
      return FALSE;
   }

   ShowWindow(hWnd, nCmdShow);
   UpdateWindow(hWnd);

   return TRUE;
}

//
//  関数: WndProc(HWND, UINT, WPARAM, LPARAM)
//
//  目的:  メイン ウィンドウのメッセージを処理します。
//
//  WM_CREATE  - ウインドウ作成時の処理
//  WM_COMMAND - アプリケーション メニューの処理
//  WM_DESTROY - 中止メッセージを表示して戻る
//
//
LRESULT CALLBACK WndProc(HWND hWnd, UINT message, WPARAM wParam, LPARAM lParam)
{
    int wmId, wmEvent;
    static HWND hButton;  // ボタンのハンドル

    switch (message)
    {
        case WM_CREATE:
            hButton = CreateWindowEx(0, TEXT("BUTTON"), TEXT("Button1"),
                        WS_CHILD | WS_VISIBLE | BS_PUSHBUTTON,
                        10, 10, 100, 50,
                        hWnd, (HMENU)ID_BUTTON1, 
                        (HINSTANCE)GetWindowLong(hWnd, GWL_HINSTANCE), NULL);
            break;

        case WM_COMMAND:
            wmId = LOWORD(wParam);
            wmEvent = HIWORD(wParam);
            // 選択されたメニューの解析:
            switch (wmId)
            {
                case ID_BUTTON1:
                    MessageBox(hWnd, TEXT("ボタンが押されました。"), TEXT("確認"), MB_OK);
                    break;
                case IDM_EXIT:
                    DestroyWindow(hWnd);
                    break;
                default:
                    return DefWindowProc(hWnd, message, wParam, lParam);
            }
            break;
        case WM_DESTROY:
            PostQuitMessage(0);
            break;
        default:
            return DefWindowProc(hWnd, message, wParam, lParam);
    }
    return 0;
}

上記の太線で示している箇所のみ追加です。

resource.h
#define IDM_ABOUT 104
#define IDM_EXIT 105
#define IDC_HP 109
#define ID_BUTTON1 151

上記の太線で示している箇所のみ追加です。

test.rc リソースファイル (変更なし)
#include "resource.h"

/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
//
// メニュー
//

IDC_HP MENU
BEGIN
    POPUP "ファイル(&F)"
    BEGIN
        MENUITEM "アプリケーションの終了(&X)", IDM_EXIT
    END
    POPUP "ヘルプ(&H)"
    BEGIN
        MENUITEM "バージョン情報(&A)...", IDM_ABOUT
    END
END