リソースファイルにメニューを記述します。
今回作成するアプリケーションの説明をします。
メニューから「ファイル(F)」-「アプリケーションの終了(X)」を選ぶと、ウインドウを閉じます。
「ヘルプ(H)」-「バージョン情報(A)...」のメニューも追加します。(選択しても今回のアプリケーションでは、何もしません。)
ウィンドウプロシージャ - インコのWindowsSDK を修正します。
リソースエディタResEditでのメニュー追加については、 メニュー(ダイアログ) - インコのWindowsSDK をご覧ください。
流れ
ウィンドウ クラス
1.ウィンドウクラスに関する情報を格納している WNDCLASSEX構造体のlpszMenuNameメンバに、リソースファイルで指定するファイルのリソースIDを入れます。
これにより、リソースファイルに記述したメニューを呼び出します。
MAKEINTRESOURCE()を使って、リソースIDから文字列に変換します。
LPTSTR MAKEINTRESOURCE( WORD wInteger );
resource.h
リソースIDの定義をします。
ウィンドウプロシージャ
ウィンドウプロシージャについては、入門4:ウィンドウプロシージャ をご覧ください。
1.メニューを選択した際に、WM_COMMANDメッセージがきます。
このとき、ウィンドウプロシージャの3番目の引数(ここではwParam)のうち、下位16ビットは、リソースID(メニューを選択した場合は、メニューのリソースID)
なので、これを処理します。
32ビットから下位16ビットを取り出すには、LOWORD()を使用します。
上位16ビットを取り出すにはHIWORD()を使用します。
2.メニューで終了を選択した場合、リソースIDがIDM_EXITになります。 このとき、DestroyWindow()を実行して、WM_DESTROYメッセージを発生させます。 WM_DESTROYメッセージにより、ウインドウを閉じます。
BOOL DestroyWindow( HWND hWnd // ウインドウのハンドル );
3.メニューで終了を選択した場合以外、ここでは、「バージョン情報」のメニューを選択された場合は、 デフォルトウィンドウプロシージャDefWindowProc()を実行します。
リソースファイル
1.リソースにメニューを追加します。
id MENU
id | リソースID |
メニューのはじめに、BEGINを指定して、 メニューの最後にENDを指定します。
2.ポップアップメニュー(サブメニューを表示するためのメニュー)は、POPUP。
POPUP "menu(&a)"
menu | 表示するメニューの文字列 |
a | Altキーとaとを押すと、クリックと同じ動作になります。 |
3.メニュー(クリックされるとアクションを発生させるメニュー)は、MENUITEM。
これも、BEGINと、ENDとで挟んでください。
MENUITEM "menu(&a)", id
menu | 表示するメニューの文字列 |
a | Altキーとaとを押すと、クリックと同じ動作になります。 |
id | リソースID |
ソースコードの入力
ソースコードは下記のように入れてください。
#include <windows.h> #include "resource.h" // このコード モジュールに含まれる関数の宣言を転送します: ATOM MyRegisterClass(HINSTANCE hInstance); BOOL InitInstance(HINSTANCE, int); LRESULT CALLBACK WndProc(HWND, UINT, WPARAM, LPARAM); int APIENTRY WinMain(HINSTANCE hInstance, HINSTANCE hPrevInstance, LPSTR lpCmdLine, int nCmdShow) { MSG msg; MyRegisterClass(hInstance); // アプリケーションの初期化を実行します: if (!InitInstance (hInstance, nCmdShow)) { return FALSE; } // メイン メッセージ ループ: while (GetMessage(&msg, NULL, 0, 0)) { TranslateMessage(&msg); DispatchMessage(&msg); } return (int) msg.wParam; } // // 関数: MyRegisterClass() // // 目的: ウィンドウ クラスを登録します。 // ATOM MyRegisterClass(HINSTANCE hInstance) { WNDCLASSEX wcex; wcex.cbSize = sizeof(WNDCLASSEX); wcex.style = CS_HREDRAW | CS_VREDRAW; wcex.lpfnWndProc = WndProc; wcex.cbClsExtra = 0; wcex.cbWndExtra = 0; wcex.hInstance = hInstance; wcex.hIcon = LoadIcon(NULL , IDI_APPLICATION); wcex.hCursor = LoadCursor(NULL, IDC_ARROW); wcex.hbrBackground = (HBRUSH)(COLOR_WINDOW+1); wcex.lpszMenuName = MAKEINTRESOURCE(IDC_HP); wcex.lpszClassName = TEXT("HP"); wcex.hIconSm = LoadIcon(NULL , IDI_APPLICATION); return RegisterClassEx(&wcex); } // // 関数: InitInstance(HINSTANCE, int) // // 目的: メイン ウィンドウを作成します。 // BOOL InitInstance(HINSTANCE hInstance, int nCmdShow) { HWND hWnd; hWnd = CreateWindow(TEXT("HP"), TEXT("HP"), WS_OVERLAPPEDWINDOW, CW_USEDEFAULT, 0, CW_USEDEFAULT, 0, NULL, NULL, hInstance, NULL); if (!hWnd) { return FALSE; } ShowWindow(hWnd, nCmdShow); UpdateWindow(hWnd); return TRUE; } // // 関数: WndProc(HWND, UINT, WPARAM, LPARAM) // // 目的: メイン ウィンドウのメッセージを処理します。 // // WM_COMMAND - アプリケーション メニューの処理 // WM_DESTROY - 中止メッセージを表示して戻る // // LRESULT CALLBACK WndProc(HWND hWnd, UINT message, WPARAM wParam, LPARAM lParam) { int wmId, wmEvent; switch (message) { case WM_COMMAND: wmId = LOWORD(wParam); wmEvent = HIWORD(wParam); // 選択されたメニューの解析: switch (wmId) { case IDM_EXIT: DestroyWindow(hWnd); break; default: return DefWindowProc(hWnd, message, wParam, lParam); } break; case WM_DESTROY: PostQuitMessage(0); break; default: return DefWindowProc(hWnd, message, wParam, lParam); } return 0; }
上記の太線で示している箇所のみ追加です。
#define IDM_ABOUT 104
#define IDM_EXIT 105
#define IDC_HP 109
#include "resource.h"
/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
//
// メニュー
//
IDC_HP MENU
BEGIN
POPUP "ファイル(&F)"
BEGIN
MENUITEM "アプリケーションの終了(&X)", IDM_EXIT
END
POPUP "ヘルプ(&H)"
BEGIN
MENUITEM "バージョン情報(&A)...", IDM_ABOUT
END
END