リソース・アイコン

リソースファイルは、実行ファイルに埋め込まれた読み込み専用のデータを保存しているファイルです。拡張子は*.rcです。
アイコンやメニュー、ダイアログなどを埋め込むことができます。

今回はアイコンを埋め込みます。

ウィンドウプロシージャ - インコのWindowsSDK を修正します。

リソースファイルとヘッダファイルをプロジェクトに追加

リソースファイルtest.rcと、resource.hをプロジェクトに追加して下さい。
Visual C++ 2010 リソースファイル追加 を参照して下さい。

アイコンを入手し、プロジェクトのあるフォルダにコピーします。
ここでは、アイコンのファイル名を「test.ico」とします。

コピー先のフォルダ

アイコンをコピーする、プロジェクトのあるフォルダは、デフォルトでは下記フォルダです。

Visual C++のバージョン Windowsのバージョン コピー先のフォルダ
2013 7,8 C:\Users\[アカウント名]\Documents\Visual Studio 2013\Projects\プロジェクト名\プロジェクト名
2012 7,8 C:\Users\[アカウント名]\Documents\Visual Studio 2012\Projects\プロジェクト名\プロジェクト名
2010 XP C:\Documents and Settings\[アカウント名]\My Documents\Visual Studio 2010\Projects\プロジェクト名\プロジェクト名
2010 Vista,7,8 C:\Users\[アカウント名]\Documents\Visual Studio 2010\Projects\プロジェクト名\プロジェクト名
2008 XP C:\Documents and Settings\[アカウント名]\My Documents\Visual Studio 2008\Projects\プロジェクト名\プロジェクト名
2008 Vista,7,8 C:\Users\[アカウント名]\Documents\Visual Studio 2008\Projects\プロジェクト名\プロジェクト名

流れ

1.resource.hをインクルード

ウィンドウ クラス

リソースファイルで指定されているアイコンファイルを読み込みます。

リソースとのやりとりは、リソースID(識別子)を通して行います。リソースIDは 単に「ID」や「識別子」と呼ばれることもあります。

1.LoadIcon()で、アイコンリソースをロードします。

HICON LoadIcon(
    HINSTANCE hInstance, // インスタンスハンドル
    LPCTSTR pIconName    // リソース名/リソースID
);

LoadIcon()の2つ目の引数は、文字列であるLPTSTR型です。
リソースID(識別子)は、整数で表現されているため、文字列に変換する必要があります。
MAKEINTRESOURCE()で、リソースIDを文字列に変換します。

LPTSTR MAKEINTRESOURCE(
    WORD wInteger
);

resource.h

リソースファイルで使用している「リソースID」の定義をします。

ヘッダファイルは、最後は空白行で終わるようにしてください。
改行がないと、
fatal error RC1004: unexpected end of file found
というエラーが、コンパイル時に発生します。

リソースファイル

1.resource.hをインクルード

2.アイコンファイルを指定

id ICON "file.ico"

id リソースID
file.ico アイコンのファイル名

ソースコードの入力

ソースコードは下記のように入れてください。

test.cpp
#include <windows.h>
#include "resource.h"

// このコード モジュールに含まれる関数の宣言を転送します:
ATOM MyRegisterClass(HINSTANCE hInstance);
BOOL InitInstance(HINSTANCE, int);
LRESULT CALLBACK WndProc(HWND, UINT, WPARAM, LPARAM);

int APIENTRY WinMain(HINSTANCE hInstance,
                     HINSTANCE hPrevInstance,
                     LPSTR lpCmdLine,
                     int nCmdShow)
{
    MSG msg;
    MyRegisterClass(hInstance);

    // アプリケーションの初期化を実行します:
    if (!InitInstance (hInstance, nCmdShow))
    {
        return FALSE;
    }
    // メイン メッセージ ループ:
    while (GetMessage(&msg, NULL, 0, 0))
    {
        TranslateMessage(&msg);
        DispatchMessage(&msg);
    }
    return (int) msg.wParam;
}

//
//  関数: MyRegisterClass()
//
//  目的: ウィンドウ クラスを登録します。
//
ATOM MyRegisterClass(HINSTANCE hInstance)
{
    WNDCLASSEX wcex;

    wcex.cbSize = sizeof(WNDCLASSEX);

    wcex.style = CS_HREDRAW | CS_VREDRAW;
    wcex.lpfnWndProc = WndProc;
    wcex.cbClsExtra = 0;
    wcex.cbWndExtra = 0;
    wcex.hInstance = hInstance;
    wcex.hIcon = LoadIcon(hInstance, MAKEINTRESOURCE(IDI_TEST));
    wcex.hCursor = LoadCursor(NULL, IDC_ARROW);
    wcex.hbrBackground = (HBRUSH)(COLOR_WINDOW+1);
    wcex.lpszMenuName = NULL;
    wcex.lpszClassName = TEXT("HP");
    wcex.hIconSm = LoadIcon(wcex.hInstance, MAKEINTRESOURCE(IDI_SMALL));

    return RegisterClassEx(&wcex);
}

//
//   関数: InitInstance(HINSTANCE, int)
//
//   目的: メイン ウィンドウを作成します。
//
BOOL InitInstance(HINSTANCE hInstance, int nCmdShow)
{
   HWND hWnd;

   hWnd = CreateWindow(TEXT("HP"), TEXT("HP"), WS_OVERLAPPEDWINDOW,
      CW_USEDEFAULT, 0, CW_USEDEFAULT, 0, NULL, NULL, hInstance, NULL);

   if (!hWnd)
   {
      return FALSE;
   }

   ShowWindow(hWnd, nCmdShow);
   UpdateWindow(hWnd);

   return TRUE;
}

//
//  関数: WndProc(HWND, UINT, WPARAM, LPARAM)
//
//  目的:  メイン ウィンドウのメッセージを処理します。
//
//  WM_DESTROY - 中止メッセージを表示して戻る
//
//
LRESULT CALLBACK WndProc(HWND hWnd, UINT message, WPARAM wParam, LPARAM lParam)
{
    switch (message)
    {
        case WM_DESTROY:
            PostQuitMessage(0);
            break;
        default:
            return DefWindowProc(hWnd, message, wParam, lParam);
    }
    return 0;
}

上記の太線で示している箇所のみ追加です。

resource.h

#define IDI_TEST 107
#define IDI_SMALL 108
#ifndef IDC_STATIC
#define IDC_STATIC -1
#endif

test.rc リソースファイル

#include "resource.h"

/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
//
// アイコン
//

IDI_TEST       ICON         "test.ico"
IDI_SMALL      ICON         "test.ico"